地方政治について考えてみる

成田悠輔さんの「22世紀の民主主義」を読んで…、はなくてYouTubeで概要を見ただけなんですが
その中で「無意識データ民主主義」という話がでてきました。

思考実験のような話なのですが、要は民意を無意識レベルで収集して
データ分析ができるアルゴリズムを作り出せれば、
そこから導き出せた答えを実施していくことで政治が行えるのではないかという話。
だと、思います。
YouTubeで概要を見ただけなので、間違っているかもしれませんが。

GoogleとかAmazonとかって、よく見るサイトとか商品とかを分析して
利用者にオススメの情報を出します。
ここには利用者の意識はあまり介在していなくて、
ただ、ネットを見ただけ、商品を見ただけで勝手に分析されています。

これと同じように、国民の生活情報をデータとして収集して
そこからデータ分析をして、国民が無意識レベルで欲していることを
政治に反映していったらええんやということですね。
確かに、できそうではある。

でも国民の個人情報を逐一収集するのは大変だし
それを分析して変数化して、
政治が必要とする情報に変換していくアルゴリズムを作るのって大変そうだなー、と思います。
誰かがやってくれるのを待つしかないですよね。

とはいえ、指を咥えて待っていても仕方がないので
なるべくミニマルに地方政治に対して実施できるような政治の方法を、
「無意識データ民主主義」の思考実験に習って、考えてみようかなと思いました。

今の地方政治の問題

本では、国の民主主義という政治に対して話が進んでいましたが(読んでないけど)
それと比較するような形で地方政治の問題について考えてみたいと思います。

超少子高齢化である

若者の投票率が低いとか、少子化とか以前に、地方は超少子高齢化なので
国政よりも更に高齢者の力が強いです。
「若者のための政治」なんて語る政治家はほとんどいないだろうし、
仮にそういう政治家が出てきたとしても、若者からの後押しは望めないと思います。
地方はある程度中年の人が若者扱いされるレベルなので、中年が若者ぶっています。
若者のイスを中年が奪っているので、若者は座る椅子がありません。

具体的に言えば、出る杭の若者は、高齢者だけではなく中年からも叩かれます。
そういった状況から、若者の勢力はどんどん落ち込んでいきます。

立候補者が少ない

そもそも立候補者が少ないので、選挙が行われたとしても選択肢がありません。
いつもどおりの同じ地方議員で構成された議会で、政治が進んでいきます。
このような議会ではイノベーションは生まれません。

また、地方民たちも政治家にべったりで、
特にお金持ちの高齢者とか、声の大きい高齢者とかが政治家にべったりなので
権力の強い人が政治を動かしているような状況が続きます。
そこから若者が活躍できるような政策は生み出されません。

SNS?関係ないね。村八分だ。

高齢者が牛耳る地方政治にSNSの声は関係ありません。
SNSに書かれる匿名の批判も、地方の人たちからすれば格好の的。
みんなが特定するべく動いて、特定された暁には村八分です。

SNSでのポピュラリティは、村八分の恐怖によって
「誰もが得する幸せな投稿」によってのみ機能します。
たとえば、きれいな写真とか、おいしいお店とか、
楽しいイベントとか、有名人が来たとか
そういうのを発信する人。

今の地方政治を揺るがすような政治的発言は村八分です。

若者は高齢者にマインドコントロールされている

権力のある高齢者の政治によって若者は徐々にマインドコントロールされてしまいます。
運良くそのマインドコントロールに気づいた若者は、すぐさま地方を捨て、ここではないどこかへ旅立ってしまいます。
地方を捨てられなかった若者は、高齢者のマインドコントロールを受けて、
どんどん思考が高齢者寄りになり、
無意識的に保守的で排他的な若者になってしまうわけです。

こうなってしまうと、もはや「無意識データ民主主義」も
地方政治には反映されないかもしれません。
地方民は高齢者のマインドコントロールによって無意識的にも、
イノベーションの意欲を削がれてしまっているから…

とはいえ、それすらも「無意識データ民主主義」からすれば想定内なのかもしれません。
たとえば、他の地方の成功事例を持ってきて反映させるとか、
国全体のデータから地方政治の最適解を見つけ出せるとか、
そういうのも含めたものなのかもしれません。

しかし、今すぐにそれが実現できれば済む話なのですが
今、この状況において地方でとりあえず一歩を踏み出そうとしたときには
単純なデータ収集では難しいなと思いました。

いや、そもそも、高齢化しがちな地方民の思考を変えようとしている時点で
民主主義的ではないのかもしれませんが…。
高齢化している地方は高齢者に合わせた民主主義の方が正しいのかもしれません…。
んー、でも感覚的には破滅に向かいそうな予感はしますね。

一歩目のアイデア

ということで、全体的に高齢化してしまった地方民に若い思考回路を持ってもらうためにはどうしたらいいのかについて、今のところは考えてみたいと思います。

データ収集はネットをよく見ている人からのみやる

ネットを使わない人って地方に多いですが、その人たちの判断は井の中の蛙になることが多いのではないかと推測します。
普段から世の中のいろんな情報をネットを介して見ている人の無意識データを拾い集めれば
地方に対しての的確な不満が集まるんじゃないかと思います。

そういう意味では、今の地方政治についてもネットを介した地方民の声を集めることで
ある程度適切な意見を集められるんじゃないかなと思います。
アンケートとかも紙では一切やらずに、ネット上だけでやるとか。

Web政治

ネットを使える人がある程度まともな意見を出せるのだとすれば
Web上だけで情報交換を行うような地方議員がいたら面白そうですね。
ネットからしかアクセスできなくすれば、自然と高齢者を遮断できそうです。

若者と高齢者ではなく、ネットを使う人、使わない人で分ける

そもそも、若者と高齢者で二極化するのではなく
ネットを使う人、使わない人で分けたらどうでしょうか。
若者でもネットを使わない人は、きっと高齢者のマインドコントロールを受けやすい人だと思います。
逆に、ネットを使う高齢者は、若者に劣らない広い視野の持ち主かもしれません。

だから、ネットを使う人を集めることが正しい政治をする近道かもしれません。

落とし込んだ情報を紙で伝える

ネットで情報収集をして、落とし込んだ情報を最終的に紙で伝え
ネットを使わない人に刺激を与えることで、視野を広げてもらう。
そんな流れが作れたら、面白そうですね。

課題

ネットを使う人、使わない人で切り分けるというアイデアが出ましたが、
そもそも、ネットを使う人の意見が、使わない人の意見より的を射ているのかどうかは分かりません。
そのあたりについて言及されているような書籍や研究などがあれば調べてみたいなと思いました。

あと、ネットを見てなくてもテレビや本でも情報収集ができますし
そもそも情報収集が下手な人がネットを使っていた場合は、
偏った思想を持っている可能性もあります。

ただ、無意識データを集めるのであればそもそも、ネットを使っていることが前提になることから
そのあたりの整合性を生み出すのは、アルゴリズムになりそうですね。

まとめ

22世紀の民主主義を読んで(ないけど)、「無意識データ民主主義」の実現を考えたときに
地方政治においてまず第一歩目として何ができるのかを考えてみました。

地方ならではの課題があり、様々なノイズがある中で
ネットをよく使っている人から情報を集めることがまず第一歩なのかなという結論に至りました。

 

 

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